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最高裁判所第二小法廷 昭和28年(あ)5662号 決定

主文

本件各上告を棄却する。

理由

被告人両名の弁護人宮崎厳雄の上告趣意第一点について。

原判決は本件名古屋商店街新聞は月三回の発行を建前とはしているが、本件選挙期日の公示に先だつ六月前以来屡々休刊した事実が看取されるとし、右事実に基き他方公職選挙法一四八条三項一号の新聞紙とは選挙期日の公示又は告示の日前六ケ月以来現実に毎月三回以上頒布されて来たものであることを要するものとし、同新聞は右一四八条三項一号にいう新聞紙には該当しないと判断したのは公正な選挙を確保するために脱法行為を防止している公職選挙法の趣旨から見て相当である。されば本件新聞を以て公職選挙法一四八条三項の新聞紙であるとする前提に立つ論旨はすべて採用できない。

同第二点は原審において主張判断を経ていない事項であり、同第三点は事実誤認の主張であって、何れも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 霜山精一 裁判官 栗山 茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 谷村唯一郎)

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